意外と知らない横浜

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生麦事件・島津久光率いる軍勢とイギリス人との間で起きた事象


生麦事件は幕末に起きたイギリス人殺傷事件で大きな政治問題となり、その後、薩英戦争へ繋がるきっかけとなった事件でもあります。

 

生麦事件の概要

 

文久2年(1862年)薩摩藩主の名代、島津三朗久光は700人余りの軍勢と共に江戸に出向いたのち京都へ帰る事となるのだが
8月21日、久光はひと足先に400人余りの軍勢を引き連れ江戸を発ち帰国の途につく。

藩主忠義の父である久光はこの年の4月に京都伏見にある寺田屋に終結していた自藩の過激な藩士たちを急襲して鎮圧すると、
5月22日に勅使大原重徳と共に京都を出発し、6月7日江戸に到着したのである。

幕府に示した勅命は威圧的な内容の3か条から成り、久光はかなりの覚悟を固めての江戸入りだったが、幕府が勅旨に添った決定を下した事で大任を果たした気になり上機嫌で帰国の途に着いたのである。

 

久光の帰国に先立だって薩摩の江戸藩邸から幕府に宛て「最近外国人たちの不行儀が目だっているので、外国の各長官へ不法のないよう十分に注意をうながしてほしい」との要請があり、
これに対して幕府は「言語風俗が異なり、地理不案内の外国人の事なので穏便に取り扱ってほしい」とあまり事を荒立てぬよう申し付けをしている。

 

久光率いる軍勢が生麦村(横浜市鶴見区生麦町)に差しかかったのは午後3時、まもなく生麦村を過ぎようとした頃に前方から騎馬のイギリス人4人が向かってきた。

 

  • ウッドソープ・チャールズ・クラーク
    横浜でアメリカ人が経営する商店に勤務。
    事件後は居留地消防隊で委員として活躍した。
  • ウィリアム・マーシャル
    横浜在住の誠実で信用がある生糸商人
  • マーガレット・ボロデール
    マーシャルの従姉妹で香港在住、イギリス商人の妻で横浜へ観光にきていた。
  • チャールズ・レノックス・リチャードソン
    中国での商売を打ち切って英国へ帰る前に日本へ観光に来ていた。

行列の先頭にいた薩摩藩士は身振り手振りで馬から下りるよう説明したが、4人は馬から下りようとする様子もない。
そのままゆっくりと進み次第に行列の人垣に押されて中に割り込むような形になり
ついに久光が乗る駕籠の近くまで馬を乗り入れると
さすがにまずいと思った先頭のリチャードソンが馬の首を右に向けようとした時に、共頭の奈良原喜左衛門は藤原忠広の鍛えた二尺五寸の日本刀抜き払いリチャードソンの肩から腹にかけて切り裂いた。

 

これを見た数人の藩士たちがいっせいに刀を抜き、クラークは左肩を横ざまに斬りつけられ、マーシャルは背中と脇腹を斬られて深手をおったが、血を流しながら馬を飛ばし神奈川の米国仮領事館(本覚寺)へ駆け込んだ。
のちにヘボンやジェスキンス医師の治療により回復している。

 

ボロデール夫人の頭にも一撃が振り下ろされたが彼女が素早く身を避けたので、帽子と髪の一部を飛ばされただけで済んだ。
夫人は馬を走らせ午後3時半頃に横浜の居留地へ駆け込み、襲撃から逃れてきたことを伝えた。

 

一人リチャードソンは臓腑が出るほどの深手を負い左手で傷口を押さえ、右手で手綱を取って馬を走らせたが生麦村並木というところで力尽きて落馬した。
行列の先頭にいたもう一人の共頭、海江田武次は西洋の鞍が置かれた馬を発見し、付近を探していると土手に横たわるリチャードソンを発見するもすでに顔色は黒ずみ死相があらわれていた。

もはや助からないとみてとった海江田は「楽にしてやろう」と脇差を抜き、リチャードソンの心臓を突き絶命させたのである。

 

これが幕末に起きた生麦事件の全容であり、この事件がのちの薩英戦争のきっかけとなります。

 

不慮の死を遂げたチャールズ・L・リチャードソンは横浜外人墓地22地区に埋葬されています。
事件後も横浜に住んだマーシャルは11年後に45歳で死亡し20地区に埋葬され、
クラークは事件の5年後にわずか33歳で死亡し21地区に埋葬されています。

 

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Updated: 2015年5月20日 — 2:59 PM


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